2006年大学入試センター試験から、外国語教科の英語においてリスニングが必修となりました。 一斉放送方式や個別音源方式など、その実施方法には紆余曲折がありましたが、結局は個別音源方式での実施となりました。 配点は
250点中50点であり、初年度としては決して低い配点率ではありません。 当面はこの方式と配点は大きな変化もなく継承されると思われますが、「リスニング力(聴解力)重視」という流れは定着したと言えるでしょう。 また、国公立大学の個別学力試験や私立大学の入試においても、英語のリスニング問題は多くの大学で出題され、その形式も多岐にわたり、ますます重要性を増しています。 さらに、高校生の多くが受験する(財)日本英語検定協会主催の実用英語技能検定(英検)においては、数年前から改訂が行われ、全ての級においてリスニング問題の配点比重がますます高まっています。 このように、高校生をとりまく学習環境は英語リスニング対策を抜きにして考えることができなくなっています。
現在、数多くの出版社が「リスニング対策」を謳い、さまざまな問題集を出版しています。 それぞれに工夫を凝らし、学習者のリスニング力を向上させることを意図していることは確かですが、ほとんどの問題集が「評価」や「問題演習」に重きを置き、本格的にリスニング力を向上させることを目的としたものではないようです。 もちろん、高校現場にあってはリスニングに割く時間も限られ、教授法もあまり確立していないため、このような現状があることも十分理解できるものです。
私たちは、このような現状の中、「できるだけ短い時間で、効率的に聴解力をアップさせるにはディクテーションの手法を使う以外にない」という結論に達しました。 詳しいコンセプトに関しては監修のグレゴリー・クラーク先生の
Prefaceにありますが、同じ英文を「何度も聴き、深く理解する」ことこそが、聴解力アップに直結すると考えたのです。 幸い、このコンセプトは高校現場の多くの先生方からご賛同をいただき、高校における数々の実験を経て、一つの形にすることができました。
ここにお届けするDeep Listeningは、いわば「本物の聴解力を育てたい」「積み上げ式の教材を用いたい」という現場の先生方の声から生まれたものです。 全国の高校の先生方にお使いいただく中で、さらに改良を重ねてまいりたいと思っています。
Deep Listeningが若い日本人の英語リスニング力向上に寄与し、世界に飛躍しゆく日本人を育てる一助になれることを心から願っています。
執筆者 荻野 次信
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